後編では、Wronakianがあるででないなら
Wronakianは区間において恒等的にであることを示していきます。
まず、次のようなn階線形微分方程式について考えます。
の解が線形独立であるかどうかを調べるには
というWronakianを考えればいいのでした。
天下り的ですが、次の定理を証明します。
<Wronskianの微分>
証明には前回の記事で導いた行列式の微分公式を使います。
実はここで使いたいがためにこの前の記事は書きました。
(証明)
行列式の微分公式から
平行なベクトルを含む行列式の値はとなるので
最後の項の
だけが残ります。
つまり
となります。
いま、がの解ですから、
第行を倍して第行に加える
操作をについて行えば
(与式)
(証明おわり)
の両辺に
をかけると、
であることから
より、
が導けます。
の両辺をで積分して、
となります。
積分定数はを代入することで求まり、
より
となります。
の式の指数関数の部分は常に正なので、
がいえます。
したがってが区間上で恒等的にでないことをいうには、
区間上のある一つの値を代入したときのを調べればよいことが示せました。